ここはいつものバス停。俺は親友に謝ることがある。
「ごめん…ノア!!俺、お前の姉ちゃん盗撮した……!!!でもソフィアさん……お前の姉ちゃんには言わないでください!!!」
親友の表情が一瞬固まる。体の動きも止まる。
カラッとした日差しが照り付け、皮膚を焦がし、汗が滴り落ちる。
頭を下げた俺も、バス停前で突っ立っているノアもなかなか動かない…いや、動けない。
俺は、やってしまった手前ノアより先に動けないし、
ノアは、脳の処理が追いついていないのか…じっと固まったままだった。
てっきり、俺…お前に送った写真が盗撮写真だということに気づいてるから「Bro don’t meltdown.」って送って来たのかと思ったんだけれど、どうやらそうじゃないらしい……くっそぉ。しくったな……。。。
まぁいいや。盗撮したことは事実だし…ていうかあの状態で、カメラを持った状態で目の前にソフィアさんがいたんだぜ?いつもと違った雰囲気を纏ったソフィアさんが!!そりゃ撮るしかないだろ。でも、撮影許可なんて取れるわけないだろう!!!勝手に手が動いてたし、それにキモいなんて言われたくないし……自覚はしてるんだぜ?一応。ああやってしまったな……って。だから朝イチでこの状態なんだ。悔いはない。
「僕に送って来たあの写真って…」
「盗撮物です」
「あの姉さんが、ケーキ食べてるのが…??」
「盗撮物です」
「……っはぁ。。。何してるのさ!!!」
「いや…本当に、何してるんだろうな……俺もわかんね」
頭を抱える。頭のいいノアが頭を抱えている……なんて珍しい光景なんだ。
こんな状況だけれど、目の前の親友の珍しい姿に驚きと感動を宿さずにはいられなかった。……いや、まぁそう…だよな。。頭抱えるよな。。。何やってんだろ……俺。
唸り続けていたノアがようやく結論を出した。
なかなかシビアで流石ノアって感じの回答だった。
「まず、吐き気するくらい気持ち悪いって自覚があるならいいよ。でも、姉さんに言ったら終わりと思ってる事をやってる時点でダメでしょ!」
「…はい」
「今回僕は、君のキモいと思われても良い。ちゃんと向き合いたいって覚悟に免じて姉さんには言わないでおくけど、2度としちゃダメだからね!姉さん相手でも、それ以外の相手でも!!」
「…はい」
「本当…なんで姉さんを盗撮してるんだよ……!!!」
「……っ。あまりにも可愛くて俺のものにしたいと思ってしまったからです。ていうか気づいたらスマホに写真が保存されていたんです。手が勝手に動いてました。カメラのピントがケーキではなくソフィアさんに合って離れなかったんです。」
「僕の姉さんを捕らないでよ!!」
「…写真だけに?」
「そう、写真だけに撮らないで!!……って茶化すなバカ!」
「いやほんとすみませんでした…」
「…はぁ。うん……まぁいいよ。僕も君に…というか君のお母さんに相談したいことあったし、これでチャラね。」
「ありがとうノア様!!!」
本当、俺。こいつが友人でよかったって心から思った。
